今日の無題

たとえばちょっと解決困難なことで悩んでいる甲がいるとして、それを心配している乙がいるとすると、乙が甲をねぎらった時に、甲が乙のねぎらいを申し訳なく思ったり、あるいは何かがすれ違えばうっとおしく思ったりする。
そして、乙もねぎらいに際して、ただでさえ困難にある甲に、申し訳なさや、うっとおしさを感じさせたくないと思って、ためらったりする。
 
どこかのだれかが昔言ったように、贈る側は相手の内面やその結果を過度に気にしたりせずに、一回一回それきりのつもりで暖かく乾いた贈りものが、贈られる側も過度の恩情を持たずに一回一回それきりのつもりで暖かく乾いた感謝ができればいいのだけれど、人はそこまで強く厳しくないし、強く厳しくある必要がどうしてもあるかと聞かれれば、私はそれが絶対に正しいとは言いたくない。私もまた弱く甘いから。