0-01-01から1日間の記事一覧

彼の家は小さな商店だったがコンビニエンスストアのフランチャイズを受け入れた上でなおも潰れた。負債を背負った両親は懸命に働くが体を壊し帰らぬ人になる。 全ては二十四時間営業が悪いのだ。両親を追い詰め、またこの社会を追い詰めようとしている二十四…

いつかの夢

友人の誰かと道を歩きながら、いつのまにか知らないところまで来ていた。建物はそれなりにあるが、高層でもないし、密集していない。宅地のようでもあるし、街はずれのようでもある。住んでいるところに近いのかもしれないし、どこか別の、遠いところなのか…

いつか死ぬのであきらめている。あきらめているので生み出さない。使い果たしてそれだけだ。 欲望とは他人の欲望だという。他人がいなければ欲望はないのだという。新しい欲望は古い欲望の模倣なのだという。では欲望はどこから来たのか。 借りものの夢を追…

昔ある街の市で、南で捕まえられたと言う珍しい鳥が話題になった。何でも羽根は七色、鳴き声は美しく人語を解し、常に真実を告げるという。 街の役人のひとりがさっそく大金を積んで買いにやらせた。しかし、鳥は評判とかけ離れたものだった。みすぼらしい茶…

目次

ハイクで書いた物などを長さで分けておいていくつもり。細かい修正もする。たまに増えるはず。 0-50字 https://sckr295.hatenablog.com/archive/0000/01/03 https://sckr295.hatenablog.com/archive/0000/01/04 https://sckr295.hatenablog.com/archive/0000…

穴が開くようになった。 穴は突然開くので、毎日何人もぽろぽろ落ちる。物は落ちない。落ちた人は空からぱらぱら降ってくる。ぱらぱらなので落ちても落ちられても怪我はない。 落ちたことがある人はもう落ちない。落ちた人はきまって、起きたばかりのように…