2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『故郷から一〇〇〇〇光年』『愛はさだめ、さだめは死』

手元の記録によると『故郷から一〇〇〇〇光年』は去年の十月五日には読了しているらしかったが感想は上げていなかったようだ。 人間や性、愛、世界、運命、そういうものに対しての無常感と違和感。私はエイリアンだからこんなところにはとても耐えられない、…

田辺聖子『ジョゼと虎と魚たち』角川文庫

前にサガンの『ブラームスはお好き』を読んだときも同じだったけれど、だいたいが中年の女性の恋愛ものなので、普段読んでいる小説と大分毛色が違ってついて行くのが難しかったが、人間をみっともなさや冷酷さや優しさ、及ばないところや優れたところなどが…

尾形亀之助『色ガラスの街』『雨になる朝』『障子のある家』

なんだか概ね簡素で短くて平板で退屈なんだけど、それがかえって自由で枯淡にも思えて、慣れてくるとときどき奇妙なところやロマンチックなところ、寂しさも感じられるようになって、不思議と気に入ってしまった。 そんな後で『雨になる朝』の後記や、『障子…

今年の新潮文庫の百冊から二冊

yondaグッズ(今年はバンダナらしい)を貰おうと思って二冊読んだ。有名どころをつまみぐいする読書癖のせいで読んだり積んだりしてない百冊が年々少なくなっていく。 南直哉『老師と少年』新潮文庫 自分探し分野の禅問答入門といった感じか。シンプルにわか…