ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『故郷から一〇〇〇〇光年』『愛はさだめ、さだめは死』

手元の記録によると『故郷から一〇〇〇〇光年』は去年の十月五日には読了しているらしかったが感想は上げていなかったようだ。
人間や性、愛、世界、運命、そういうものに対しての無常感と違和感。私はエイリアンだからこんなところにはとても耐えられない、そんな怒りや苛立ちが、乾いた、冷静な文章で、標本みたいに壁か何かに打ちつけられているような気がした。『ビームしておくれ、ふるさとへ』、とはまさに彼女自身のことなのかも知れなかった。
接続された女』が印象深かった。見た目の良くない人間の心を抉るシンデレラストーリー。