リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』『芝生の復讐』『西瓜糖の日々』

アメリカの鱒釣り』はよくわからない本だった。不思議な話だった。幻想というか、椅子に座ってぼうっとしてるときのような空想が、現実の出来事の記述に挿入されたりまぜこぜになったり。以前(これも去年の十月か)読んだ『芝生の復讐』のほうが似たような雰囲気だけどわかりやすかった。潔癖でみすぼらしく、悲しいけれど美しいひとりごと。ガラスの箱の中に入ったもの。『西瓜糖の日々』も以前(『芝生の復讐』よりも後)読んだが毛色が違った。〈忘れられた世界〉の有害ながらくたが好きなマーガレットが、独りで縊れてしまうのは悲しかった。