尾形亀之助『色ガラスの街』『雨になる朝』『障子のある家』

なんだか概ね簡素で短くて平板で退屈なんだけど、それがかえって自由で枯淡にも思えて、慣れてくるとときどき奇妙なところやロマンチックなところ、寂しさも感じられるようになって、不思議と気に入ってしまった。
そんな後で『雨になる朝』の後記や、『障子のある家』の自序と後記を読むと作者の心情が迫ってきて少し胸に詰まる。