プラネタリウムのふたご

いしいしんじの最近出た文庫。

だまされることは、だいたいにおいて間抜けだ。ただしかし、だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの、笑いもなにもない、どんづまりの世界になってしまう。

この人の書く話には、誰もが一度は親しんだことのある、童話のようでいて、それだけじゃなく、ちょっとずれたような、普段小説を読むことが多い人でも、少ない人でも、共有して楽しめる空気があると思う。
ぶらんこ乗りも良かったけどさらに完成度が上な感じ。