安南の王子

集英社文庫山川方夫。夏の葬列を読んだのは一年半前か。
表題作とバンドの休暇はモラトリアムの華やかで賑やかな生活が一瞬で自殺に裏返る話。ある意味爽やか。あとは回想を主題にした短編が2つと、私小説的なのが1つ。情景の描写は綺麗なんだけど、内面の描写は分析的なのが面白い。
これまで読んだ中では、煙突、海岸公園、バンドの休暇、最初の秋がとてもよかった。
三田文学で編集をしていて、江藤淳曾野綾子を発掘した人らしい。34で交通事故で亡くなったそうだ。