シュペルヴィエル「海に住む少女」

最近光文社古典新訳文庫が威勢がいいらしいので、ロリコンファルさんのとこで見たシュペルヴィエルを読んでみた。
最初の表題作、海つながりで「ソラリス」思い出した。微妙にイメージが似てる。
どの話も心臓が静かに冷える。穴開けられて風入れられる感じ。

人々が道を行き交います。彼らはいつも、きちんとした理由があって、街のある地点から別の地点へと向かっているのでしょうか。
確かに、何人か呼び止めて聞いてみたとしたら、人々は「仕事に行く途中だ」「薬局に行くんだ」などと答えることでしょう。でも、もし、本当に訊ねてみたら、答えられずに困惑する人もいるのではないでしょうか。毎日同じ時刻に、どんな天気の日でも、同じ行為を繰り返さずにはいられない、この可哀想な青年のように。
「牛乳のお椀」