容量不足の読書

「何かを面白いと思って受け入れるには愛情と情熱を割り振らねばならない」ということであって、趣味を持つ人間はそのキャパシティを節約して生活する知恵も持っていて然るべき、というハナシです。

あくまで肝心なのは、「今は自分のために面白がらないでいるのだ」と意識しておくことであって、「(一苦労だけど)読み方を変えてしまえば面白くなるはず」「自分以外の誰かがこれを面白がっていることは間違い無いはず(自分はその誰かではないけど)」というイフの可能性は常にイメージしておくことですね。
 そして最後に、「自分の好きなもの」をちゃんとしっかり持っておくこと。あとは嗜好が微妙に重なっている人とのコネをたくさん持っておくこと。このふたつに尽きますね。

読んでみて「つまらない」と思える能力 - ピアノ・ファイア

もちろん買ってる母数そのものが比較にならないだろうけど、同じようなことをするので気になった。izuminoさんは「キャパシティを節約」するためと書かれているけれど、私は「そもそもキャパシティが少ないのでなんとかやりくりする」ため。そんなわけで最後の「コネをたくさん持っておくこと」はあまり重視していない。
アンテナの閾値を意識的に下げるようにしている。小説でもマンガでもいいのだけれど具体的に言うと、
・よほど趣味に合う作家でなければ全ての作品は買わない
・話題の作品や作者は立ち読みや雑誌でさわりだけ見てみる
・面白いけど少し趣味から外れる作品は「売れなさそう」なら買う
こんな感じ。私は物が増えるのがとても苦手で、とんでもなく読むのが遅くて、本棚の空きにもお金にも読書欲にも限りがあって、でも小説やマンガが好きで、それを超えて積読とかすると本当にうんざりしてきてそもそも何の為に読んでるのか本末転倒で、そういう事態を避ける為に。

余計な私信

去年偶然ピアノ・ファイアを見たのがきっかけで Sparklehorse を聴くようになったので、izuminoさんにはひそかに、とても感謝していました。ありがとうございます。