支倉凍砂『狼と香辛料 16』

先日読了。
途中までロレンスの影が薄くてどうなることかと思ったけれど、最後きっちりホロと一緒に主人公らしいところを見せていて安心。ホロと一緒に、ってところがクライマックスの書き方として実にこの作品らしくてよかった。
思えば狼と香辛料を読んで元が貧弱だった私の歴史観はだいぶ広がったような。作者自身もあとがきで、神話部分は聖書と金枝篇、他にもどちらかといえば固い専門書を読みこなして他人ができない分野で勝負しようと思ったと書いていて、そういう意欲がラノベの形になって私のような怠惰な人間の世界まで広げてくれるのは本当に僥倖でありありがたかった。
お疲れ様でした。本編終了ということだけど、夏には読者サービスの後日談を含めた短編集が出るそうで、そちらも楽しみ。