泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん

泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん 松下竜一

作者二十五歳のときに初めて作ったこの歌で朝日歌壇に投稿、入選したらしい。驚く。
家族の病気で大学進学を断念後、生家の豆腐店を継いで歌作を始め、その後経営難から閉店、ルポ作家に。反公害、反開発、環境権の保護を生涯のテーマに九電、中国電相手に火力、原子力発電所建設反対運動も行った人、だそうで、昨日か一昨日の日経春秋で上記の歌が紹介されていたのだが、春秋子は日経新聞の記者なのにしみじみ書いていていいのかなあなどと作者の来歴を知って思ったりもした。