御影瑛路「僕らはどこにも開かない」

他の著作三冊を貸してもらって興味が湧いたので読んでみた。最初常識とは、とか人間関係とは、とか観念的な話で始まるので何かと思ったら恋愛で終わった。
……おかしい。この本はおかしい。でもこのおかしさは人真似が出来ない類のおかしさだ。他の作も恋愛が大きなテーマになってるから、きっと御影さんは恋愛が書きたいのだなあと思うけど、でも観念的な話からも離れない。不思議。
最新作の「虚ろの箱と零のマリア」がいちばん娯楽として面白くなってるのは、佐藤友哉水没ピアノを書いたようなものかもしれない。折り合いがついたというか。
ユニークだった。これからも買うかも。