私と祖父

五月の上旬に母方の祖父が亡くなって、数日前に四十九日の法要に行ってきました。もう高齢でしたし、私の母親は末の妹なので、特に葬儀に当たって私がしなければならないこともなく、いつもと同じように過ごしたかったのでここには書きませんでした。
私の家族は私が三歳になる年まで母の実家の近くに住んでいて、私もいろいろ祖父母や、まだ存命だった曾祖母に世話をして貰ったそうですが、そのころのことはほとんど覚えておらず、そういうわけで南房総に引っ越したあとは年齢が上がるにつれてあまり母方の家には寄りつかなくなりました。
両親は共働きですので自然昼間は預けられていました。兄が幼稚園に通うようになるとひとりの時間も増えました。母親から聞いた話によると、祖父はあるときなどは差し向かいで私の積み木に付き合ってくれていたそうです。そんな記憶は私にはありません。今も覚えているのはたぶんよく遊んでいたからでしょう、その積み木がどんな色や形をしていたかだけです。しかし、私の想像の中での祖父と私が積み木をしている光景は、現実の記憶では無いのにとても懐かしく感じられてなりません。