心は弔いのためにある

そうしていくつかの時がすぎて

さようならがまたやってきた

別れを悼むことがなければ

心などなくてもかまわない

 

ここには私たちのための場所があった

つぎからつぎへ人は流れるが

とどまり続けることもあった

行き交う人たちのあとをたどれば

何も残っていないこともあった

 

それもまた今日までのこと

今日からはここには何もない

動きを止めている人も

そのままでいられない私も

今日からはここには何もない

進んで変わって行く人も

取り残されている私も

今日からはここには何もない

 

そうして私たちはまた始める

私たちが私たちでなくなっても

そうして私たちはまた始める

私たちが消えてしまっても